難しい仕事に直面した時や、組織全体が経験したことのない分野の仕事に臨む時などに依頼をするのがコンサルティングです。初めてコンサルティングに挑戦するときは、先輩と一緒に行うことが多くその経験を積んでから一人でクライアントと向き合うことになります。
今回は、初めて一人でコンサルティングをする時に気をつけたいことを書いてみたいと思います。
最初に結論を述べるとコンサルティングで大切なのは信頼です。先輩と同行して勉強している間は、先輩がクライアントに対して提案するプレゼンテーションのやり方や多くのコンサルティング技術に目が向きがちです。
確かに経験の多い先輩の自信に満ちた態度や口調が、クライアントを納得させ仕事が円滑に進んでいく姿を見て、真似をしたくなる気持ちはわかります。
それでも、重要なのは知識や技術などではなくて「信頼」なのです。
言葉で「信頼」と言われてもわかりにくいかもしれません。実例を持って解説してみたいと思います。私自身は組織の企画部門での仕事が長く、たくさんのコンサルタントと仕事を一緒にしてきました。仕事を変えてからは、私自身がコンサルテティングの職場に属していたこともあります。つまりコンサルタントもクライアントも経験がありますが、クライアントの立場でみると重要なのは技術や知識ではなくて信頼です。
技術や知識はコンサルタントと名乗る以上、持っているのは当然で、そのことでコンサルタントの評価が上がることはありません。
むしろ、日常的にサポートしてくれるメールのやりとりや、時間外に相談事ができたときに対応してくれる態度がポイントになります。
そして、クライアントは自分の組織の仲間に対するコンサルタントの接し方もよく観察しています。直接的に予算を管理している部門だけではなくて、コンサルタントが指導する立場で、指導を受ける自分の仲間たちに対してどんな口調や態度で接しているのかをクライアントはよく見ています。
初めて経験する仕事で指導を受ける職場の仲間は、経験がないので従順にコンサルティングを受けているように見えます。
しかし、実はコンサルタントが信頼にたる人物かどうかをよく観察しているものです。相手に対する説明が上から目線であったり、横柄な態度であったりすると反感を持ちます。逆に謙りすぎる態度や、丁寧すぎる説明にも嫌な気持ちを持つものです。
クライアントやその職場の人たちは、同じ視点に立って問題を解決する報告をいっしよになって歩いてくれるコンサルタントを求めているのです。そういったことに答えてくれないコンサルティングには不満と反感を持ち、信頼を失ってしまいます。
まとめるとコンサルティングで大切なのは信頼であり、普段の態度や言葉遣いがとても重要です。 コンサルタントに知識や技術があるのは当然なのです。初めてコンサルティングをする場合など忘れがちですので注意しましょう。